森と建築のアンサンブル。大分市美術館で「空間」を味わう休日

雑記

森のなかに現れる、コンクリートの城

大分市街地の喧騒を離れ、上野丘公園の深い緑を抜けた先に現れる「大分市美術館」。 大分市出身の世界的な建築家・磯崎新氏によって設計されたこの建物は、単なる展示施設ではありません。それ自体が、森の地形と対話するように配置された巨大なアートピースです。

視界を切り取る、計算されたフレーム

まず目を引くのは、空を鋭く切り取るコンクリートのフレーム。 直線的な梁や、空中に突き出したようなブリッジは、重厚なコンクリートでありながら、どこか軽やかで周囲の樹木と見事に共生しています。人工物と自然がぶつかり合う場所に生まれる「緊張感」こそ、この建築の醍醐味です。

光と影が踊る「円環の回廊」

館内でも特にドラマチックなのが、緩やかなカーブを描く回廊です。 天井に施された同心円状のラインと、整然と並ぶ円柱。窓から差し込む陽光が床に長い影を落とし、歩くたびに景色がリズム刻むように変化します。設置された木製のベンチに腰を下ろせば、ただ通り過ぎるだけでは気づかない「静寂」を体感できるはず。

迷宮を彷徨う楽しさ

この美術館の面白さは、高低差を活かした複雑な構造にあります。 階段を上り、スロープを下り、円形の広場に出る。まるで迷宮を散策しているような感覚に陥ります。ふとした瞬間に見える建物の重なりや、旗がたなびく通路など、どこを切り取っても絵になる構図が隠れています。

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